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DHLが新たなトレンドリポートを発表―大幅な物流業務の改善のためのデジタルツイン(2019年6月27日)

DHLは、ドイツDHLイノベーションセンターで開催されたIoT の日に、「物流におけるデジタルツイン」に関する新しいトレンドレポートを発表しました。当レポートにおいては、デジタルツインの概念、台頭、そしてそれがどのように価値を創造するかを説明しています。物理的資産をよりよく理解し管理するためにデジタルモデルを使用するこうした技術は、既にいくつかの業界で確立されており、物流業界を大きく変える可能性があります。

レポートの概要は以下の通りです。

  • デジタルツインの広範囲な採用を可能にする、主要テクノロジーのコスト低下
  • 物流におけるデジタルツインのための多様なアプリケーション
  • DHLは顧客とパートナーに対し、デジタルツインの可能性の連携した探求を呼びかける

デジタルツイン(=デジタルの双子)は、対象物のフィジカル空間における物理的な状態と動作をモニターし、デジタル空間でシミュレーションする仮想モデルです。デジタルコピーは、継続的に物理的対象物に接続されており、現実の変化を反映するようになっています。製品、機械、さらにはビジネスエコシステム全体に適用すると、デジタルツインは、過去からの見識を示し、現在を最適化し、さらに将来のパフォーマンスを予測することもできます。

「デジタルツインの市場は毎年38%以上成長し、2025年までに260億ドルを突破すると予想されています。」と、DHL上席副社長でありイノベーション・商業開発担当グローバルヘッドのマティアス・ホイトガーは説明し、次のように述べています。「デジタルツインは、資産を追跡、監視、診断するための比類なき機能を提供してくれます。データ主導型の意思決定とコラボレーション、合理化されたビジネスプロセス、及び新しいビジネスモデルを促進するためのさまざまなオプションによって、従来のサプライチェーンを変えていきます。私たちはこの業界のアプリケーションを共に探求するために、顧客やパートナーとの協力を望んでいます。」

デジタルツインの物流アプリケーション

物流においてデジタルツインは、コンテナフリートの管理、出荷のモニタリング、または物流システムの設計など、バリューチェーン全体に渡る様々なアプリケーションで使用可能です。たとえば、個々のコンテナのIoTセンサーは、それらの位置を示し、損傷や汚染をモニタリングします。このデータはコンテナネットワークのデジタルツインに流れ、機械学習を使ってコンテナができるだけ効率的に配置されているようにします。

デジタルツインは個々の資産だけではなく、施設の3Dモデルと在庫、及び運用データを組み合わせて、倉庫などのネットワーク全体やエコシステム全体に適用できます。このシステムは、機械のステータスと、製品の在庫状況の概要を提供し、在庫や配達についての予測や自立的決定を行うことができます。同じ原則が、主要物流拠点または、グローバル物流ネットワークにも当てはまります。

DHL副社長、カスタマーソリューソン&イノベーション、イノベーション&トレンドリサーチ担当マルクス・クッケルハウスは、次のように付け加えました。「IoT、クラウドコンピューティング、人口知能、高度な可視化ツールを搭載したデジタルツインは、企業にとってより魅力的で利用しやすい選択肢になりつつあります。しかし、これらやそれに関連する技術をデジタルツインにフルに実装することは、複雑で困難な作業です。そのため、バリューチェーンに沿った全てのパートナー間の緊密なコラボレーションが、その可能性を完全に実現するために不可欠なのです。」

トレンドレポートにおいてDHLは、サイバーセキュリティーの問題など、実施上の課題について検討していますが、デジタル化の実施に関するビジネスケースがよりに魅力的になりつつあることを強調しています。関連技術がより信頼性が高く、手ごろな価格になるにつれて、多く業界の企業は、複雑な資産システムをリアルタイムで管理し、そのプロセス効率を向上させることができるデジタルツインの有益性に気付くでしょう。

レポートは、物流におけるデジタルツインの導入を成功させるために必要な投資と変更の検討で締めくくられています。

トレンドレポート: 「物流におけるデジタルツイン-デジタルツインの物流への影響に関するDHLの見解」は、http://logistics.dhl/digitaltwinsより無料でダウンロードが可能です。

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