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ロジスティクスSociety5.0実現に向けて。DXを先導する企業担当者と、物流業界の将来像を考える

 MOVO FORESIGHT 2020のセッション3では、流通業界におけるDXの課題とどう社内で推進していけばよいのか、現場でのアプローチ手法を考えるセッションとなった。DXを経営に取り入れることができれば、業務効率化やデータドリブンなビジネスを展開していけるようになるだろう。
 しかし、理想ばかり思い描くのではなく、現実をしっかりと見極めて、何が課題でどのようなアプローチを踏んでいけば、DXを実現した状況になるのかを考えなければならない。本セッションでは、DXを先導し現場に浸透させている企業の担当者らが登壇した。株式会社ヤオコー 取締役 情報システム部長 兼 ロジスティクス推進部長の戸川 晋一氏、三井倉庫ロジスティクス株式会社 ビジネスソリューション本部 事業開発部 部長の松川 健一氏、アクア株式会社 経営戦略本部 新規ビジネス企画グループ ディレクターの永井 千絵氏らが、今後業界全体に求められる取り組みについて議論を交わした。

物流業界はまず、Society4.0を目指すべき

内閣府が掲げる「Society 5.0」の社会は、 IoTや人工知能(AI)、ロボットなどあらゆる産業で人とモノ、さらにはデータが連携することで、新たな価値が創造される世の中になるだろうと定義している。だが、物流業界に目を向けてみるとSociety5.0はおろか、Society4.0(情報社会)にも到達していないと言えるかもしれない。ファシリテーターを務めるHacobu 執行役員CSOの佐藤 健次は、「物流業界はまず、Society4.0に移行しなければならない」と冒頭で説明し、流通業界が目指すべき「ロジスティクスSociety5.0」の世界をこう述べた。「企業のDXが進むことで、属人的な運用管理から、AIやデジタルテクノロジーによって現場の作業は省人化される。また、物流における様々な情報が見える化されることで、オペレーションの標準化に繋がります。『物流の装置産業化』はロジスティクスSociety5.0を如実に表している言葉だ」 業務を行う上で、未だに紙とペンを用いた手作業が中心になっている。ゆえに、アナログな体制からデジタル・テクノロジーへと移行しようにも、長年手作業でやってきた慣習を変えるためには、現場の理解やデジタル・テクノロジーのメリットを浸透させることが必須となる。 物流業界は、人々の「営みや暮らし」と「産業」を支える重要なインフラを担っている。ひとたび物流が止まってしまえば、人々の生活に大きな支障を与えることになるだろう。

ヒト中心の社会では多様性に応えるための最適化が必要

三井倉庫ロジスティクス株式会社 松川 健一氏(右)

「道路、鉄道、港湾、空港などあらゆる交通体系が連携する「マルチモーダル輸送」が実現するとすれば、物流業者は多様なライフスタイルを送るお客様に合わせて個別最適化する必要がある。情報や消費者の気持ちなど、色々なデータを用いて物流マンが新たな付加価値を創造しないと、Society 5.0の社会で企業は生き残っていけないのでは」 そう語るのは、三井倉庫ロジスティクスの松川氏。Society 5.0では、ビックデータやAI、IOTといった最先端技術を用いて、人間中心の社会へと変化していくことから、個社の効率化だけではなく、ステークホルダーにどう届くのかを考えて取り組んでいく必要があるという。
「我々が管理する物流倉庫も、今後はシェアードの形になっていくでしょう。Eコマースが発達し、物流量の増加が著しい中、倉庫を個社ではなく関わる事業者同士で共有していくことが大切だと思います。また、デジタル・テクノロジーを活用した『スマートロジスティクス』にシフトし、企業の付加サービスをいかに見出すかが鍵となる」

株式会社ヤオコー 戸川 晋一氏(右)

他方、30期増収増益を続け、日本一元気なスーパーマーケットとして業界を牽引するヤオコーの戸川氏も「お客様に最適な購買体験を提供すること」を前提に、個社と全体でみたときの最適化について意見を述べた。
「一般消費者がどんな生活を行なっているのかを把握することが大事だと思っています。お客様はスーパーにいつ何時に来るのか、どういう行動を取り、どんな商品を手にとっているか。様々分析していくと、気づきが得られ、お客様のニーズが掴めるようになります。今後は、お客様一人ひとりのパーソナライズされた購買体験が主流になってくるのではないでしょうか」

「Amazon Go(アマゾンゴー)」では省力化の流れからレジを置かず、商品をそのまま店外に持ち出せる仕組みとなっている。AmazonのEコマースでは、レコメンド機能が付いており、今後Amazon Goでのデータが蓄積されてくれば、来店時にレコメンド商品の提案や個別最適化されたセール情報が届くなど、パーソナライズ体験が実現するかもしれない。

戸川氏は「ネットとリアルの棲み分けをすることが、これからのスーパーのあり方」とし、サプライチェーンマネジメントの課題や今後目指すべき方向性について説いた。「ネットスーパーサービスは、わざわざ店頭に足を運ばなくても日常品が手に入る利便性があり、相対的にLTVが高くなる傾向にあります。初期の段階では、重いもの、かさばる物などの購入が中心ですが、慣れてくれば様々な食品や日用品を買うようになります。今後購買行動のデータ活用が進み、より精度の高い情報を在庫管理に活かせれば、商品の無駄な発注を抑え、フードロスの防止にも繋がるのではないでしょうか。サプライチェーン全体の最適化がなされた状態を作ることが未来の物流業界にとって必要になります」

ラストワンマイルをいかにデジタル化するか

アクア株式会社 永井 千絵氏 (中央)

アクアの永井氏は、冷蔵庫を扱うメーカーの立場として、IoT技術を駆使した冷蔵庫の可能性について話した。
「IoT化された冷蔵庫は、庫内の食材の在庫管理を見える化し、スーパーに材料を買いに行く際、いつでもどこでも家の冷蔵庫の情報が分かるようになります。さらに、今日作る献立をレコメンドしてくれるようになれば、冷蔵庫の食材に足りないものだけ買えばいいので、無駄に買いすぎることはなくなるでしょう。物流業界も同じで、遠隔操作で食品の温度管理をして廃棄ロスをなくしたり、配送に要する人的コスト削減に繋がったりと、テクノロジーを活かせば様々な問題を解決できると思います。いかに、消費者へ商品が手に渡るまでのラストワンマイルをデジタル化するかが大事」

IoTやAIの技術が発達すれば、次世代の家電が流行し、人々のライフスタイルを豊かにするだろう。また、家電自体の機能も、パーソナライズされた形で最適化され、利便性が著しく向上するのは間違いない。

一方で、デジタルシフトの流れはあれど、サービスを享受する側の消費者の視点に立った付加価値を提供することの大切さを永井氏は語った。
「サービスを受ける消費者側にも、どんな物流の流れがあるのかを見える化し、どのようにして商品が届くのかを理解してもらう取り組みをした方がいいと思います。宅配クライシスと言われる問題に対して、業界をあげてサプライチェーンにおけるビジビリティ(可視化)を進めることにより、ラストワンマイルの物流効率化を図ることができる」

ビジビリティを上げることで、物流配送の新たなモデルが確立できるのではと話すのは、松川氏。
「消費者の中には、何がなんでも明日配送してほしいかというと、意外とそうでもなかったりします。ダイナミックプライシングのように、配達業者のスケジュールに応じて配送料金が変動し、需給バランスに沿った提案ができると、ラストワンマイルにおける宅配クライシスの課題を解決できるのではないでしょうか」

会場からは「物流におけるセンターフィーはどのように考えているか」という問いに対して、戸川氏は自らの見解をこう説いた。
「物流センターに商品を納入してもらえたら、代わりにお店まで配送するという仕組みのもとで考えると、センターフィーはコスト負担の面では合理的だと思います。ただ、必ずしもコスト構造と料率がリンクしているかというと、そうでもない場合もあるでしょう。算定基準が不明瞭で、料率がメーカーや卸に伝わっていない問題は物流業界全体に言えること。商慣習の変化やテクノロジーの進展によってビジビリティ向上がなされたら改善するのだとは思うが、サプライチェーンマネジメントでは昔から言われている課題なので、どう解決していくか模索していく必要がある」
物流業界の課題解決の糸口を掴むにはビジビリティこそ大切であり、いかにして全体最適化させるかが今後の肝となりそうだ。

Hacobuが提供する「MOVO」も、ビジビリティを進めるためのSaaS型ソリューションであり、最後のセッションでは、MOVO導入企業によるディスカッションを通して、企業間物流の最適化の最前線に迫っていきたいと思う。

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