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専門家コラム

author : 佐藤 健次

With/Afterコロナ時代の物流マネジメント

 

物流現場は、日本のヒーロー

現在の新型コロナウイルスによる変化に対処すべく、多くの物流現場の方々が日々奮闘を続けていることに感謝すると共に、その努力を称賛したい。縁の下の力持ちである物流現場の皆さんのおかげで、日本国民は大きな混乱なく日々暮らせている。物流マネジメントとしては、現状況が長引くことを見据え、お客様・従業員の安心・安全のための守りの対処を継続しつつ、中長期的な展望をもって次の手を打つことが大切だ。

安心・安全のための守り

物流は、今、モノの供給を止めないこと、パニックを防ぐために欠品を極小化すること、そして感染が発生した場合に経路を正しく報告することを求められている。すでに多くの物流センターで対処済みと認識しているが、下記をチェックリストとして、是非活用していただきたい。

「モノの供給をとめない」ためにすべきこと

☑従業員を感染から守る
 ・従業員の体調管理(マスクの手配・使い回しの工夫による着用の徹底、検温、手洗い・消毒の徹底)
 ・仕切りなどの飛沫感染防止処置、清掃・消毒の徹底(現場、事務所、食堂、更衣室、喫煙所、バス)
 ・作業動線・人員配置・距離の見直し(マルチタスクの極小化など)
☑外部からウィルスを持ち込ませない
 ・ドライバーのマスク着用、体温計測、消毒の徹底(ルール違反者は敷地に入れない)
 ・会議のTV会議化(本社および取引先との会議)
 ・伝票類の徹底した電子化(センター内での紙、ペン利用の極小化)
☑人員手配を強化する
 ・欠員発生に備えた人材確保
 ・集団感染に備えた、業務委託先リストの策定・交渉

「欠品を最小化する」ためにすべきこと

☑正確な実需を捉える。店舗従業員からのパニックオーダーではなく、過去実績と行動様式の変化による変数を抑えて、真の必要数量を見極める
☑自社が各物流センターで処理できる能力、保有する在庫量、メーカーからの入庫予定量を見極め、エリア別の上記需要に適切な割合で供給できるように、エリア別供給量を再調整する(どのように欠品させるかの戦略)

「感染時に経路を正しく報告する」ためにすべきこと

☑どのドライバー/トラックがいつどこへ動いているかを正確にとらえておく
☑可能な範囲で従業員の動きもとらえられるようにしておく(プライバシーの問題に十分配慮)

コロナによる物流への中長期的な影響

物流はこれまでも、今後の生産年齢人口の減少に備えて、自動化・デジタル化の動きを進めてきた。今回のコロナにより、もう1点、よく考えなければならないものが加わるのではないかと想定している。それはロケーションフリーの働き方の普及による消費地の大きな変化である。

コロナにより、多くの方々が会社に行かず、テレワークでも仕事ができることを証明しつつある。これが可能になると、生活費が高い都市部で仕事をするのではなく、住環境として優れる地方都市で仕事をするというスタイルの方が飛躍的に増えていくのではないかという仮説を持っている。人口の都市部への集中が止まり、受け入れキャパシティが十分にある地方都市で、多くの日本人がより豊かな生活を送るようになるという希望的な仮説である。

物流はモノを届けることがスタートラインであるため、このことによる影響は非常に大きい。物流センターの規模、輸送動線という物流ネットワークを根本から見直すこと、つまり都市部の物流を縮小させ、地方都市の物流を充実させることが必要になる。例えば、働き手が減る都市部では、空きビルを物流センターとして活用するような変化が想定される。地下鉄でモノをビルまで運び、ビルからドローンで配送するようなことも将来可能になるかもしれない。これが緩やかに起こることだとしても、物流としてはそのような変化に対応できる体制をとっておくことが大切だ。

Afterコロナを見据えて、物流マネジメントが始めるべきこと

地理的な消費バランスの変化に合わせて、物流は今後柔軟にネットワークを変更していくことが求められる。また、遠隔地を管理していくための監視やコントロール機能の重要性も一段と強まると想定している。そのために変化を敏感にとらえる目(データ)を持ち、柔軟に物流ネットワーク・ルート変更をしなければならない。現実的には物流センターの設立や縮小を簡単にできるような資金力をもつ企業は少ない。だからこそ、自社内だけではなく、他社の力(共同物流など)も用いて最適化を繰り返すことも重要だ。日本全体としてとしてみた場合、トラックの積載率は現在、60%という低い水準にある。結果として、日本が米国に比べ国土が狭いにも関わらず、日本の物流費比率が米国より高いという統計データがある。空いているキャパシティを活用し、コスト増加を抑えながら、変化する日本を目指したい。

実現のカギはやはりデータ化・デジタル化である。コロナの初期にトイレットペーパーの品切れパニックが起こった。残念ながら、今の物流は日本全体の在庫量を提示する力がなかったため、正しい情報を国民の皆様に提供できなかった。これは氷山の一角に過ぎず、物流でデータ化できていない領域は多い。アフターコロナを見据えてデータ化・デジタル化を加速すること、それらのデータを活用できる物流人材を育成することが今後の課題である。

Hacobuのソリューションと提供価値

  • Hacobu Strategyでは、With/Afterコロナ時代のサプライチェーンの見直し・最適化のコンサルティングを行います。
  • Movo Berth、Fleet、Seek、Vistaにより、物流のDX化を推進する仕組みを提供していきます。

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著者プロフィール / 佐藤 健次

Hacobu執行役員CPO。アクセンチュア株式会社において、サプライチェーングループのコンサルタントとして、数多くの改革プロジェクトをリード。その後、ウォルマートジャパン/⻄友にて、eCommerce SCM、補充事業、物流・輸送事業、BPR(全社構造 改革)の責任者を歴任。ウォルマートジャパン/⻄友の物流責任者として、各国のリーダーおよびパートナーと物流革新を推進。

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