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ウォルマートが中国の物流強化に12億ドル投資の計画を発表―10か所以上の配送センターを新たに建設・改修する計画(2019年7月1日)

ウォルマート中国サプライチェーン部長のライアン・マクダニエル氏は1日、同社がサプライチェーンシステムへの投資を拡大する計画を発表しました。初となる生鮮食品物流センターとなる「華南生鮮食品物流センター」の建設に加え、国内のサプライチェーンへの投資を80億元(約12億ドル)増やし、今後10~20年で10か所以上の物流センターを建設または改修します。同社は2019年3月に開業した華南生鮮食品物流センターの建設に7億元投じており、同センターは現在広東と広西の100店舗以上に、毎日最大16万5,000ケースの商品を配送しています。新たな生鮮食品物流センターは中国の小売業界で初めてBRC Global Standard for Storage and Distribution (保管・流通)を取得しました。

『ウォルマートはオムニチャネル開発を進め、中国のお客様に新鮮な商品を届け、サービスを向上するためにサプライチェーンへの投資拡大を続けています。今後10~20年間で、10か所以上の物流センター建設に投資する計画です。』

‐ライアン・マクダニエル(ウォルマート中国サプライチェーン部長)

コールドチェーンは国際基準に沿って設計・管理

ウォルマート華南生鮮食品物流センターは国際規格に従って設計・建設された同社初の物流センターです。国内最大となる33万7,000平方メートルの面積を持つ多温度帯生鮮食品物流センターでは、4,000種類以上の温度調節、冷蔵または冷蔵商品を同時に保管、処理することが可能です。

華南生鮮食品物流センターは最新の温度調節機能が備えています。集中管理型の冷蔵システムはアンモニア式で、さまざまな温度帯の冷却材と組み合わせることで効率性と持続性を高めています。アンモニア式冷凍はフッ素系冷媒よりも安全かつ環境に優しく、効率は約7倍優れています。貯蔵エリアの冷蔵室は、高密閉扉を組み合わせることで、受取・配送エリアの温度変化を制御するよう設計されています。高速作動する断熱扉と巻込戸が保管エリアの温度が効果的に管理され、食品の品質保護と省エネを可能にします。保管エリアは年間33万キロワット時以上を節約する設計となっています。

ウォルマートはコールドチェーンの輸送段階で、商品を温度調節されたトラックに積む前に冷却することを条件としています。事前冷却の温度は「輸送監視システム」によってチェックされ、温度が設定されたレベルに到達したことが確認されてからコンテナに積まれます。ウォルマートで使用する輸送車両はすべて配送ルート上で車内の温度を監視する装置を搭載しており、生鮮食品が守られた状態で時間通りに店舗へ配送されています。

革新的技術の活用により、商品の品質を確保

ウォルマートのサプライチェーンはお客様へのサービス向上のために業務を最適化するべく、常に革新的技術の開発と活用を続けています。ウォルマート中国のサプライチェーンは世界的にも高度な最新鋭のビッグデータ・プラットフォーム「データレイク」や新しいモバイルアプリを使い、データ・ストレージとアナリティクスを強化しています。デジタル管理のプラットフォームを応用することで、サプライチェーン管理者はより直感的で便利な方法でパフォーマンスマネジメントを活用し、視覚化することができます。さらにウォルマート中国のサプライチェーンは、主流の国際規格に従い作業方法の基準や従業員研修プログラムを作成し、デジタル化を通して作業効率の向上を続けています。

ウォルマートはまた、物流センターに特別品質検査担当者を配置し、コンプライアンス強化と食料品の品質と安全性保護に努めています。物流センターには品質検査室が設置され、食品の法律や規制へのコンプライアンス、残留農薬などの問題に最前線で取り組んでいます。これらのテストから得られたデータは国内の全店舗に共有されます。

サプライチェーン向上とオムニチャネル開発強化への投資を継続

ウォルマート中国の物流ネットワークは、その範囲の広さ、優秀な処理能力および迅速なサービスで業界の基準を高めています。2018年、ウォルマート中国の乾燥庫と生鮮食品物流センターは30万台の配送車を店舗へ送り出し、年間の配送距離は8,000万km以上、1日あたりの配送料は100万箱を超えました。

華南生鮮食品物流センターの開業により、成長し続ける生鮮食品への需要に応えるべく、広東と広西をカバーするコールドチェーン保管エリアが拡大されました。その他の革新には、地域の店舗が必要とする柔軟な配送を提供する分散型仕分けシステムや、試験運転中に在庫を縮小してスペースを50%節約して効率を300%向上させる合理化システムなどがあります。

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