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物流のキホン

物流業界の課題と改善策 今後の動向

物流は「経済の血流」と呼ばれるほど、滞れば多くの人が生活に不自由してしまう生活にとって欠かせない機能です。しかし現在の物流業界にはさまざまな課題を抱えています。物流の課題を解決していくことは、人々が豊かな暮らしを享受することに繋がります。そこでこの記事では物流業界が抱える課題と、その改善策、物流業界の展望について紹介していきます。

物流業界の課題

①人手不足

トラックドライバーは今後24万人が不足すると言われており、大きな課題です。 トラック運送業の労働条件が起因して若年の入職者が減少しているためです。
国内物流の大半を担っているトラック運送業は労働時間が長く、全産業と比較すると大型車で約500時間、中小型車で約400時間と約2割も長くなっています。また賃金が低い傾向にあり、全産業と比較して大型車で約1割、中小型車で約2割り賃金が低く、就業者の高齢化も進展しています。

②輸送効率の悪化

トラックの積載率は低下傾向で推移しており、2019年度には38%まで低下しています。約6割は空気を運んでいることになるので、積載率の改善が大きな課題です。
また非効率な輸送に待機時間の問題があります。1運行当たりの荷待ち時間(物流拠点到着から積込み・取卸しまでの待機時間)が2時間を超えるケースは全体の約3割と、トラックドライバーにとって拘束時間が長時間労働の要因の一つとなっています。
他にも宅配業界では月に20万個以上の再配達が発生しており、これも社会問題になっています。

③輸送の小口化・多頻度化

国内貨物輸送量は、「重厚長大」から「軽薄短小」への産業構造の変化等によって緩やかに減少してきました。昨今はECの宅配だけでなく企業間物流でも輸送の小口化・多頻度化が進んでいます。小口化・多頻度化は従業員への負担増、更に、管理コストや負担の増大にもつながっていると考えられます。

④環境規制への対応

近年特に大きな課題となっているのがCO2排出量の問題です。日本のCO2排出量に占める運輸セクターの比率は2割程度を閉めています。そのうち自動車輸送が過半を占めています。

日本政府は環境規制への対応加速を打ち出し、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す方針を発表していますが、輸送の高頻度化、積載率の低下等を背景に改善が進んでいない状況です。今後はSDGsの視点からも、運輸セクターにおいて排出量削減に向けた対応がより一層求められるとみられます。

⑤物流コスト上昇

輸送費の増加を主因に、荷主側における物流コストは2011年度以降増加傾向で推移しています。需給環境を見れば、人手不足等を背景に今後も大幅な供給不足が続くと予測されている上、物流事業者の労働環境改善に向けた取り組みの進展等もあり、今後も物流コストの増加は避け難いとみられます。
また国土交通省は、輸送トラックの多くが利用する高速道路の深夜割引を見直す方針を打ち出しています。割引の適用を狙って深夜に発生するトラック待機の渋滞解消とドライバーの労働時間の改善が目的ですが、物流コストが上がる要因になる可能性があります。

物流課題の改善具体例

①人手不足の改善例

トラックドライバーの人手不足を解決する技術として、トラックの自動運転が将来的には待たれます。現在は後続車無人のトラック隊列走行の実証実験が進んでる他、ダブル連結トラックは多くの企業が導入を始めています。
ラストワンマイルではドローン物流、宅配ロボットなどの輸送技術や、置き配、宅配ボックスの設置など再配達を削減、防止するサービスも増えています。

②輸送効率の改善例

荷待ち時間の削減のためにのトラック予約受付システムの導入が物流拠点で進んでおり、効果が出ている事例が増えています。今後の課題は複数社のサービスの使い分けにドライバーが苦慮している点などがあります。

他にAIを活用した最適な配送ルートの算出により、輸送業務を効率化する技術や、パレットの共有化によるフォークリフトの活用で荷役作業の効率化を図る取り組み、パワーアシストスーツなどで荷役の負担を削減する技術なども登場しています。

③輸送の小口化・多頻度化の改善例

小口化・多頻度化による管理コストの増大の解決策として、物流システム、デジタルツールの導入による効率的な管理手法が登場しています。エクセル、FAX、電話などでの管理から移行することで、業務を効率化することが目指されています。

④環境規制への対応例

トヨタ、日野、いすゞによる商用トラックの電気自動車(EV)化や水素燃料電池車化(FCV)など脱炭素推進のための提携が大きく注目を集めています。配送車両でEVを採用する企業も増加傾向です。

またトラック輸送を鉄道輸送で代替するモーダルシフト、トラックの待機時間削減によるCo2排出量の削減など各所で脱炭素の取り組みは加速しています。

⑤物流コスト上昇の抑制

物流現場では、すでにコスト削減の様々な努力が行われています。今後物流業務の効率化を図りながらコスト削減を進めるには、物流システム導入によるデジタル化が進むものと思われます。物流現場のデータを取得し、現場の業務を見える化することで改善施策を検証していくものです。

そもそもデータがない、データ取得できる環境にないという企業は、データを中核に企業の物流活動をモニタリングし、適切なコストへと是正していく方法が模索されています。

物流効率化に向けた政府取組

物流業界の課題を改善しようと、国土交通省や関係省庁が中心になり、トラックドライバーの働き方改革、物流の効率化などの様々な取り組みを始めています。

①ホワイト物流推進運動

国土交通省、経済産業省、農林水産省による、トラックドライバー不足の要因になっている待ち時間による長時間労働や、積込・積下し等荷役作業の肉体的負担を軽減することを目的とした取り組みです。物流事業者、荷主企業、納品先企業等が運動に参加する「自主行動宣言」を提出することで、アクションを促そうとするものです。

具体的には予約受付システムの導入、パレットの活用、集荷先や配送先の集約などを行い、ドライバーの負担軽減を促す取り組みです。

②物流総合効率化法

物流総合効率化法では、流通業務(輸送、保管、荷さばき及び流通加工)を一体的に実施するとともに、「輸送網の集約」、「モーダルシフト」、「輸配送の共同化」などの輸送の合理化により、流通業務の効率化を図る事業に支援措置を定めた法律です。 2016年の改正では支援要件として「2以上のものが連携して総合化及び効率化を行うこと」が追加される、荷主と物流事業者の連携が促進されています。

具体的な支援措置としては
・事業立ち上げ、実施の際に、一部経費の補助や許可制度の優遇が受けられる
・事業に必要な施設や倉庫について、税制特例や規制に関する配慮を受けられる。
・中小企業が取り組むとき、信用保険制度や貸付制度において優遇される。
などがあります。

③トラックドライバーの働き方改革関連法

これまでトラックドライバーの時間外労働時間は上限が設けられていませんでした。しかし近年推進されている働き方改革関連法が物流業界でも施行され、2024年4月1日より「年間960時間」を上限として規制されるようになります。月当たり80時間の時間外労働が認められているので、トラックドライバーが月20日出勤ならば「1日4時間」までの残業になる計算です。これによりトラックドライバーの長時間労働が抑制されます。

今後の方向性

人手不足や輸送効率の悪化等の従来からの課題に加え、新型コロナウイルス感染拡大もあり、物流を取り巻く環境は大きく変化しています。今後は、新技術の活用に加え、物流業務のアウトソースの進展や異業種を含めたアライアンスによる業界再編のほか、物流ベンチャーの台頭など、業界構造が大幅に変化する可能性も想定されます。

しかし、物流業界はメーカーの物流部門、卸の物流部門、小売りの物流部門など、関与する企業が多岐にわたり、個社での改善には限界があります。商慣習の改善や、規格の統一などサプライチェーン全体の視点で全体最適を行っていくことが重要になります。

まとめ

物流業界は、いくつもの深刻な課題を抱えています。特にトラックドライバーを中心とした労働環境は厳しいものがあるため、改善が急務です。デジタルツールなどの最先端のシステムを導入しながら、全体最適を実現しましょう。

物流現場の課題を解決するLogistics Cloud MOVOの活用事例は以下からダウンロードしてください。

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